
貴金属の刻印が表している意味は?紛らわしい刻印に要注意!
貴金属を購入するとき、「偽物でないこと」「メッキでないこと」を証明してくれるものは一体何でしょうか。一般的には、貴金属の刻印を確認することで、「偽物でないこと」「貴金属の割合」などが鑑定できます。しかし、この刻印は国によってさまざまな打刻方法があり、その意味合いを誤解される方が多いのも事実です。
海外の刻印が表す意味を誤解したままでいると、自身の思い込みから金種などを見誤り、損をすることにもなりかねません。ここでは、貴金属の刻印が表す意味合いや誤解しやすい刻印などについてご説明していきます。
貴金属の刻印の役割
貴金属の品位を確かめるときに「刻印があれば大丈夫」というのは本当なのでしょうか。そもそも貴金属の刻印の始まりは、1300年代のイギリスといわれています。「刻印」は通称で、正式名称は「品位証明記号」といい、日本では、1929年に初めて貴金属に打刻されるようになりました。しかし、ここで注意したいのは、この日本の制度が、実は任意だということです。そのため、特定の機関による審査もありません。一般に貴金属の品位を判断するための重要な材料として扱われている刻印は、実はそれぞれの業者任せなのです。確実に信用できるものではないということをよく認識しておきましょう。
造幣局では、貴金属製品の取引の安定と消費者保護の為、貴金属製品の品位試験を行っています。この試験に合格すると、品位を証明する「ホールマーク」が打たれ、信頼の証となっています。
※品位試験とは・・分析を行い製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べる事
紛らわしい海外で使われている単位
刻印はそれぞれの国や業者任せという一面があるため、表記が非常に紛らわしいこともあります。よく目にする「K18」「SV950」「PT850」といった刻印であればほとんど間違いありません。しかし、中には、よく注意しなければ誤解しそうなものもあります。
たとえば、「24GF」「18GF」「14GF」「10GF」といった刻印は、GOLD FILLED(金張り)のことです。ベースとなる真鍮の表面にK18を重ねて、900度前後まで加熱してから圧延したものになります。
「24GP」「18GP」「14GP」「10GP」などと刻印されるGOLD PLATED(金メッキ)と比べて金の層の厚みは約100倍になるため、金の発色が良く摩耗にも強いのが特徴です。しかし、「K18」と勘違いすると、大きく損することになります。金張りの刻印が単に「1/20 18K」とされているケースもありますので、注意しましょう。
金張りにはこのほかにも「GOLD SHELLED」を意味する「GS」といった刻印や、「GOLD ROLLED」を意味する 「GR」、「ROLLED GOLD PLATE」を意味する「RGP」などがあります。真鍮にニッケルをかけて、その上から金を薄くメッキしている「金メッキ」は、金張りよりも金の層が薄く、摩耗にもさほど強くありません。先に記したような刻印に加えて「5M K18」「K18 1M」「K14 5M」といった刻印も、金メッキのことです。
「K18 3M」と刻印されているものは、「3ミクロンの厚みでメッキされている18金」という意味です。さらに、「1/10 K18」「K14 1/20」なども金メッキのことで、「1/10 K18」とあれば「1/10ミクロンの厚さで18金がメッキされている」という意味です。このほかには「HARD GOLD ELECTROPLATED」を略した「HE」「HE」などもあり、金メッキを表します。
また、海外で作られたもので、あえて品位がわからないような刻印が施されているケースもあります。「KP」「24KP」「18KP」などは、Kが「カラット」、Pが「完全、ピッタリ」という意味です。さらに、「KT」「24KT」「18KT」「14KT」などもカラットの意味です。中国の金の刻印で「万足金」「万足金」は24金のこと、「千足金」「千足金」は22金、「足金」「足金」は20金を意味しています。
さらに詳しく知りたい方はこちら→金の種類ってどれくらいある?それぞれの金の価値や買取価格とは
紛らわしいプラチナ製品と思わせる単位
プラチナ製品と思わせる紛らわしい単位もあります。「PT100」などが代表格で、ほぼシルバーにも関わらず、プラチナ製品と誤解されるような刻印が打たれています。通常、合金の場合は比率の多い成分を刻印しますが、「PT100」は、プラチナが10パーセント含まれているという意味です。
また「P/S」というのも、成分はプラチナ/シルバーで、プラチナが10%、銀が90%を表しています。
そのほかには、「PWG9」という表記を9金(金37.5%)のホワイトゴールドという意味で使用している宝飾メーカーもあります。
さらに詳しく知りたい方はこちら→国際基準に適合している?プラチナの種類であるPt950とは
信頼できる業者から買いましょう
刻印はそれぞれの国やメーカーで任意で打刻されているもので、世界共通の決まりはありません。また、貴金属の大きさや厚みによっては、刻印を打つスペースがうまく確保できず、標準の刻印とは異なるケースもあります。こうした状態では、「偽物ではないか」「だまされているのではないか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
貴金属は素人では判断が難しいので、なるべく信頼できる業者から購入しましょう。
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